自動火災報知設備とスプリンクラーの点検:何を見るか

2026年10月 確認てんけんどこ編集部

自動火災報知設備の点検では、感知器を加熱試験器・加煙試験器で作動させ、受信機に火事の場所が出るか、ベルが鳴るかを確かめます。スプリンクラー設備では、ポンプが動くか、末端試験弁での放水圧力が0.1MPa以上1MPa以下かを見ます。掲載店の沖消防建設の公開料金では、感知器の点検は1個132円〜1,320円(税込)です。消防庁の点検要領をもとにまとめました。

自動火災報知設備の点検:感知器・受信機・発信機・ベル

自動火災報知設備(自火報)は、火事を見つけて建物じゅうに知らせる設備です。主に次の4つでできています。

点検には、6か月に1回の機器点検と、1年に1回の総合点検があります。機器点検は見た目や簡単な操作で、総合点検は設備を実際に動かして全体の働きを確かめます(点検の義務と回数)。消防庁の点検要領で決められている主な項目は次のとおりです。

機器・項目点検何をするかよしとする状態
感知器(熱)機器点検加熱試験器で作動させる確実に作動し、受信機に正しい区域が表示される
感知器(煙)機器点検加煙試験器で作動させる確実に作動し、受信機に正しい区域が表示される
発信機(押しボタン)機器点検押しボタンを押す確実に作動し、受信機の発信機灯と区域が正しく表示される
受信機機器点検火災試験、注意表示試験、回路導通試験、予備電源試験を行う火災灯と区域の表示がつき、主音響装置が鳴る。配線がつながっている。予備電源の電圧が正しい
地区音響装置(ベルなど)機器点検鳴らして確かめる主音響装置と地区音響装置が正常に鳴る
同時作動総合点検受信機で、任意の5回線(5回線に満たないときは全回線)を戻さずに続けて火災表示にする受信機が正常に働き、ベルなどが鳴る
煙感知器の感度総合点検感度試験器で測る。警戒区域ごとに煙感知器を外して清掃する感度が決められた範囲内
ベルの音の大きさ総合点検音響装置の中心から前に1m離れた位置で、騒音計(A特性)で測る90dB以上(音声で知らせるものは92dB以上)
総合作動総合点検受信機につながる普段の電源を切り、任意の感知器を加熱試験器などで作動させる火災表示がつき、音響装置が適正に鳴る

煙感知器の感度を測るときは、外した感知器の場所が見張られない状態にならないよう、代わりの感知器を必ず付けることも点検要領に書かれています。

出典:消防庁「点検要領 第11 自動火災報知設備」(PDF)、東京消防庁「消防用設備等点検報告制度(消防法第17条の3の3)」(いずれも2026年9月28日確認)。表の言葉は、てんけんどこ編集部が短く言い換えたものです。

スプリンクラー点検で見ること:ポンプ・末端試験弁・ヘッド

スプリンクラー設備は、天井のスプリンクラーヘッドから水をまいて火を消す設備です。水槽の水をポンプ(加圧送水装置)で送ります。配管の先には、点検用の末端試験弁がついています。

機器・項目点検何をするかよしとする状態
水源(水槽)機器点検水位計で確かめる。水位計がなければマンホールのふたなどを開けて測る決められた水量がある
加圧送水装置(ポンプ)機器点検起動装置を操作して動かすひどい発熱、異常な振動や音がなく、回転の向きが正しい
ポンプの性能試験機器点検吐出側の止水弁を閉じ、性能試験用の配管のテスト弁を開いてポンプを動かす定格の運転で、吐出量と吐出圧力が決められた値になる
流水検知装置・圧力検知装置機器点検目で見る。試験弁か末端試験弁を操作して確かめる漏れ・変形・損傷がない。圧力計の値が正しい。弁の開け閉めが正常
スプリンクラーヘッド機器点検目で見る漏れ・変形・損傷・ひどい腐食がない。まわりに散水を妨げる物がない
送水口機器点検まわりを目で見る消防ポンプ車が近づくのや送水のじゃまになる物がない
ポンプの起動(閉鎖型ヘッド)総合点検非常電源に切り替え、ポンプから最も遠い区域と任意の区域の末端試験弁を開くポンプが確実に動く。表示や警報が正しく出る
放水圧力(閉鎖型ヘッド)総合点検末端試験弁を開いてポンプが動いたあと、圧力計の値を見る末端試験弁での放水圧力が0.1MPa以上1MPa以下

総合点検では、末端試験弁を開いて配管に水を流し、ポンプの起動から放水圧力、警報までをまとめて確かめます。非常電源に切り替えた状態で行うので、停電したときにも動くかがわかります。非常電源が発電機の場合の点検は非常用発電機の負荷試験で説明しています。

出典:消防庁「点検要領 第3 スプリンクラー設備」(PDF)(2026年9月28日確認)。表は、閉鎖型スプリンクラーヘッドを使いポンプで水を送る設備の主な項目を、てんけんどこ編集部が短く言い換えたものです。

点検の日に起きること:非常ベルが鳴る・部屋に入る

点検要領の中身から、点検の日には次のことが起きます。

点検にかかる時間は、感知器やヘッドの数、部屋に入れるかどうかで変わります。今回見た掲載店のサイトでは所要時間の目安は見つからなかったため、見積りのときに点検会社へ確かめてください。建物にいる人には、ベルが鳴る時間帯と、部屋に入る日時を前もって知らせておくと混乱を防げます。住んでいる人向けの説明はマンションの消防点検にまとめています。

出典:消防庁「点検要領 第11 自動火災報知設備」(PDF)、同「第3 スプリンクラー設備」(PDF)(いずれも2026年9月28日確認)。

自動火災報知設備・スプリンクラーの点検費用(感知器1個の料金)

自動火災報知設備の点検料金は、受信機1台、感知器1個ごとに決めて、建物にある数の分を足していく会社があります。てんけんどこの掲載店では、次の料金を公開しています。

自動火災報知設備沖消防建設(広島市・税込)なかの消防サービス(広島市・税別)
受信機(1台)3,300円5,000円
発信機(1台)616円500円
スポット型差動式熱感知器(1個)132円200円
スポット型定温式熱感知器(1個)286円400円
煙感知器(1個)1,320円500円
煙感知器の感度試験(1個)550円400円

スプリンクラー設備の単価を公開していたのは、今回見た中ではなかの消防サービスでした。

スプリンクラー設備単位料金(税別・基本料金別)
消火ポンプ1台5,000円
流水検知装置1台3,000円
閉鎖型ヘッド床面積100㎡当たり300円
補助散水栓1面600円
絶縁抵抗測定1回路500円

点検で感知器やヘッドの不良が見つかった場合の交換は、点検料とは別の見積りになります。建物全体の費用の考え方や、ほかの設備の料金例は消防設備点検の費用の目安にまとめています。

出典:沖消防建設「料金表」、なかの消防サービス「消防設備点検(設備単価)」、エヌループ「料金の目安」(いずれも2026年9月28日確認)。正確な金額は見積りで確認してください。